経理の将来性はあるのか?バリバリ外資系ITの現場のリアル【徹底解説】

近い将来、あなたの仕事をAIネイティブ(初等教育からAI教育にふれてきた世代)が、AIをフル活用して、シンプルかつ無人でできるように仕組化される将来がほぼ確実にくるとしら、不安ですよね。

「正直、経理に転職するのは将来性が少し不安、このまま経理をやっていていいのか。」と悩んでいる方は必見です。

当記事をよむことで、現場のリアルな現状と、10年、20年先の経理の将来性について理解できます。

 

当記事の内容は下記のとおりです。

  • 外資系IT企業の経理では、実際に何がおこっているのか
  • 今後どのようになるのかといった、最前線のリアルをもとに予想

 

営業から経理に職種を変えたい、経理で転職したい、業界を変えたい、経理業務をこれからも続けたいときには、どんな会社がいいのか、外資系での経験と、人材業界での経験を踏まえてまとめてみました。

経理の将来性はないといわれる理由とは?

自動化

出典:https://www.helpnetsecurity.com/2021/09/13/enterprise-automation-adoption/

実際に外資系It企業の最前線の現場での経験から、簿記3級、2級でできるような単純な経理の作業は将来なくなります

AI(人工知能)や RPA(Robotics Process Automation)直訳すると、ロボットによる業務プロセスの自動化によって、どんどん効率化はすすんでいるのは事実だからです。

例えば、Help NET SECURITYの記事によると、コロナによる影響にで自動化のながれが加速し、財務会計分野での自動化システムの成長率が199%(コロナ前との比較)に到達しています。

RPAに関しては、RPAテクノロジー株式会社の記事をみると、その破壊力がわかります。

そして、今はコロナ下で、リモートワークが可能な環境もどんどん整ってきてもいるので、自動化のなみもいっきにくるでしょう。

では、実際にどのような業務が自動化されているのか、これからされる可能性があるのかみてみます!

売掛金の消込業務

アメリカシリコンバレーのIt企業の売掛金の消込業務は、すでに8割自動化がすすんでいます。

 

相手先の会社の売掛金と入金額が一致するかどうかを確認するのが、経理業務の一つですが、

請求書番号や注文番号から対象の請求分をみちびき、支払期日から逆算して古いものから消し込むといった

簡単なシナリオ自動化が完成してしまいます。

 

何百、何千もの請求書から、どの請求分への支払いなのかといった確認が一気に完了するのは画期的です。

しかし、対象の経理業務をしている人にとっては脅威になりますね、、。

 

また、キャッシュレス化が企業間取引でもおこれば、売掛金の消込業務はほぼなくなります。

仮想通貨といった新しいテクノロジーもでてきているので、今後10年以内と近い将来、企業間の決済がかんたんになることも大きいインパクトです。

経費処理

経費処理は、言ってしまえば非生産的な業務です。流れてきた経費に承認をもらい通すだけなので、こういった単純業務も簡単に自動化される将来はみえてきます。

具体的な仕訳業務も、考える要素が少なく、マニュアルで行うことも少ないので、人が行う場合であっても機械的になります。

承認をもらうまでのプロセスで、英語を使って海外にある本部から承認をもらう必要がある場合は、比較的、介在価値としては高まります。

が、アメリカなどは自動化がかなり進んでいるので、ゆくゆくは経費処理に人が介在することは極端にすくなくなるでしょう。

社員の給与計算

給与計算の要素として、賃率×業務時間なので、基本的には難しい計算は必要ありません。

インセンティブの仕組みが複雑な場合などは、わざわざ計算する必要があるので、多少はマニュアルでの作業は増加しますが、AIに理解できないシナリオはほぼ皆無です。

ただ、給与情報は個人情報の宝庫なので、簡単に外部に依頼しずらい部分ではあるので、会社に一人二人の担当者は今後も常に必要になるかと思われます。

売上認識と売上原価

売上認識と売上原価計算は、基本的な認識ロジックが定型化されているので、AIによって自動化できる要素が多くあります。

ただ、商品によっても売上と売上原価の認識がかわりますので、検収基準なのか、出荷基準なのか、どんな収益認識基準を使っているのかによります。

複数の商品群の取引になる場合と複雑な割引の計算などは、別にマニュアルでの調整が必要なこともあります。

なので、人員は最低限で、売上認識と売上原価の管理を担当する人がすぐに、AIによってとってかわることはないでしょう。

契約書への承認プロセス

最近は、テレワークで仕事をする環境になってから、契約書への承認も、電子署名で完結する企業も増えてきました。

ハンコをわざわざおさずと、PDFに直接押印できる仕組化がすすんでいます。

ゆくゆくは、人がチェックする項目もどれも似通っているので、AIにとってかわり、自動化がすすむでしょう。

 

経理の将来性はある理由とは?

経理業務は将来性は介在価値がうまれやすい業界であれば心配はないです。

つまり、特定の業界、特殊の商品を販売している会社、海外に子会社、支店がある会社はまだまだ大丈夫と、考えています。

それぞれ見ていきます。

特定の業界は経理業務の介在価値が高い

今まで、経理職の方の転職をみてきましたが、転職で高収入を達成した方は、業界に特徴がありました。

下記のように、グローバルに事業展開している企業、そして高単価の商材を売っている企業に管理会計から、財務会計、ディスクロージャー業務を担当するポジションで転職をした方々は高年収で、高い介在価値がある業務です。

  • コンサルティング業界
  • 広告業界
  • ソフトウェア業界
  • 商社

特殊な商品を販売している会社

原価、売上認識の方法が特殊な商品を取り扱っている企業は、経理マンの価値が高くなります。

サブスクリプションをメインに販売している会社などは、売上原価、売上の認識方法が特殊なケースが多いです。

ほぼ自動で売上認識、売上原価を計上していることが多いのですが、特殊なシステム(API)を使用していることが多いので、ITスキルと経理知識が活きるポジションは介在価値が高いポジションです。

APIとは、Application Programming Interface (アプリケーション・プログラミング・インタフェース) の略です。

いろんなアプリとシステムをつなぐためのツールです。

将来の経理にもとめられるスキルとは

将来の経理マンに必要とされるスキルは、AIネイティブが新入社員として入ってきたときに模範となる人材となるです。

つまり、会社規則、会計ルールをつくり、財務諸表作成、監査対応など、日々の業務をAIをつかって仕組化するスキルです。

それぞれ、どうしてそれらが必要なのかみていきましょう!

会計処理のための会社規則を作成するスキル

日々の業務、見積もり➡受注➡請求書発行➡入金➡売上、売上原価認識等、をできる限り仕組化して、無人化するために、会社のルールをきめるための経験、スキルがもとめられます。

 

できれば、公認会計士としての業務経験や知識は、会計の仕組みづくり、プロセス設定に役にたつので、長い目でみて資格取得を頑張るのはありだとおもっています。

 

会計士はオワコンだとかいわれていますが、実際経理をやっていると、そんなことはありません。

むしろ、高度な会計知識と、実際監査を受けるときに、どこをみられて、どうすれば事前に指摘を防げるのかといった知識、業務経験は、事業会社の経理でも役立ちます。

<高い専門知識>

将来の経理によりもとめられるのは、高い専門知識です。

経理職で高い市場価値をもつ人材は、普段の業務レベル遂行能力をもち、海外支社、海外子会社の監査、税務関連対応といった業務を担当できるオールラウンダーです。ここをゴールにコツコツと経験と知識をつけていけば間違いありません。

知識としては、下記の項目が必須です。

・連結決算処理

・在外子会社財務業務

・会計システムへの理解(オラクル、SAP等)

・税務関連知識(法人税、消費税、税効果等の知識)

・契約まわりの知識

<語学力(英語もしくは中国語)>

賃金のことを考えると、外注先がタイやフィリピン、インドといった海外になるケースは考えられます。

実際、私が働いていた企業では、単純な受注処理から経費精算、入金処理などはすべてインドに委託済みでした。

今後、オフィス業務はますます外注化がすすみ、外国語での対応のニーズもたかまるでしょう。中国語と英語はやって損は絶対しないです。

 

<ITスキル(エクセル、VBA、Python)>

中小企業になると、大掛かりな会計システムはもたず、いまだにエクセルを財務諸表作成に使うところも多々あります。

そうなると、高いエクセルスキル、VBAやPythonでの自動化スキルが活きてきます。

ボタン一つで集計業務が完結するような仕組みをつくれる人材は、高い市場価値をもちます。

特に、中小企業への転職時は、エクセルで書類作成をする時に、簡単に作成できるような仕組みは非常に評価される傾向があります。

経理スキルアップにおすすめ書籍

下記の関連書籍から、スキルアップのために役立つ書籍をご紹介します。

  • 会計原則に関する書籍
  • 連結会計に関する書籍
  • 在外支店に関する書籍
  • 税務関連の書籍
  • 契約に関する書籍
  • エクセルに関する書籍
  • Pythonに関する書籍
テーマ 書籍名
会計原則 新版 会計法規集〔第12版〕
連結会計 連結バイブル―国家試験から実務まで (大原の会計士受験シリーズ)
在外支店取引 簿記精説II [新訂増補版] ‐特殊商品売買・帳簿組織・本支店会計 株式会社の会計・キャッシュ・フロー会計‐
税務関連 即戦力シリーズ 税務会計の基礎
契約 現場の視点で疑問に答える 収益認識[会計・法務・税務]Q&A
エクセル 大人気YouTuber方式 Excelの実践スキルが見るだけで身につく本
Python めんどうな作業が秒速で終わる! Excel×Python自動化の超基本

上記、テーマについて深いところまで理解して、実務レベルでも実行できるスキルをもっていれば、すくなくとも10年は食いっぱぐれないスキルといえます。

経理の市場価値はビジネスレベルの高い英語力が強みになる

私は、もともと営業で将来への漠然とした不安から、専門性をたかめる職種へ転職を決意し、経理を選びました。

未経験から、経理職に転職できた要因を考えると、コツコツ習得してきた英語力だったかなと思います。

 

実際入社してから、英語を使用して会計業務をこなすスキルは高い価値を持つということがわかりました。

何から、将来のために勉強したらよいかわからないといった方はまず英語力をたかめてみるのをおすすめします。

ひとまず、TOEIC750をめやすに英語学習にとりくむことをおすすめします。

TOEIC750点はどれくらい難しい?元偏差値35が到達難易度をまとめてみた

まとめ

ここまで、現在、どのような変化が経理の仕事におきているのか、今後AIがどのように仕事を変えていくのかを見てきました。

そのうえで、どのようなスキルが将来役に立つのか、キャリアアップをめざす方のための情報としてお役にたてればうれしいです。

どんな職種でも、AIによるインパクトは大きいので、時代にあったスキルはもとめられてきます。

楽しく学んでいくしかないですね。

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